税務ニュース

厚生労働省より「平成17年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概況」という統計資料が発表されました。

平成17年の中小企業の昇給実績は加重平均で3,904円

 先日、厚生労働省より「平成17年賃金引上げ等の実態に関する調

査結果の概況」という統計資料が発表されました。この調査は、民

間企業における賃金の改定額・率・改定方法、賃金の改定を取り巻

く事情など、賃金の改定の構造などを調査項目とし、製造業および
卸売・小売業については常用労働者30人以上、その他の産業につい

ては常用労働者100人以上を雇用する企業のうちから産業別および

企業規模別に抽出した3,118企業に対して実施したもの。 なかなか

面白い結果が出ていますので、この中から昨年の昇給に関連する部

分を中心に抜粋してご紹介しましょう。

1.賃金の改定の実施状況

 平成17年中に1人当たり平均賃金を引き上げる企業は73.5%(前

年69.8%)、引き下げる企業は2.8%(同3.4%)、賃金の改定を実

施しない企業は20.3%(同21.4%)となっており、前年に比べ、1

人当たり平均賃金を引き上げる企業は3.7ポイント上昇し、引き

下げる企業、賃金の改定を実施しない企業はそれぞれ低下した。

2.賃金の改定額および改定率

(1)賃金の改定状況

 平成17年中における賃金の改定状況について、常用労働者数によ

る加重平均でみると、1人当たり平均賃金の改定額は、3,904円
(前年3,751円)、改定率の平均は1.4%(同1.3%)となっており、

前年に比べ、それぞれ上回った。そのうち、1人当たり平均賃金を

引き上げる企業をみると、引上げ額は4,888円(同4,807円)、引上

げ率の平均は1.8%(同1.7%)となっている。1人当たり平均賃金

を引き下げる企業をみると、引下げ額は9,926円(同11,431円)、

引下げ率の平均は2.6%(同3.5%)となっている。

(2)企業規模別にみた賃金の改定状況

 賃金の改定状況について、企業規模別にみると、1人当たり平均

賃金の改定額では、5,000人以上は4,394円(前年4,569円)、1,000

~4,999人は4,573円(同4,234円)、300~999人は3,450円(同3,554

円)、100~299人は3,226円(同2,674円)となっている。

 改定率の平均は、5,000人以上は1.3%(同1.4%)、1,000~4,999

人は1.5%(同1.4%)、300~999人は1.6%(同1.3%)、100~299

人は1.3%(同1.1%)となっている。

(3)産業別にみた賃金の改定状況

 賃金の改定状況について、産業別にみると、1人当たり平均賃金

の改定額では、情報通信業が5,186円(前年5,566円)で最も高く、

次いで製造業が4,471円(同4,223円)、不動産業が4,467円(同4,479

円)の順となっている。最も低いのは、金融・保険業で1,245円(同

4,390円)、次いで飲食店,宿泊業が2,777円(同3,530円)、運輸業が

2,894円(同1,892円)の順となっている。改定率の平均は、卸売・小

売業及び医療,福祉でそれぞれ1.7%(同1.5%、1.3%)で最も高く、

次いで製造業及び情報通信業がそれぞれ1.6%(同1.4%、2.1%)、

教育,学習支援業が1.5%(同1.9%)の順となっている。最も低い

のは、金融・保険業で0.4%(同1.1%)となっており、次いで鉱業

が1.0%(同1.8%)、建設業、飲食店,宿泊業及びサービス業(他

に分類されないもの)がそれぞれ1.1%(同1.1%、1.3%、1.0%)の

順となっている。

3.賃金の改定額の分布

 1人当たり平均賃金の改定額の企業分布を階級別にみると、改定

額0円(賃金の改定を実施しない企業を含む)の企業が22.9%(前

年24.7%)で最も多く、次いで3,000~3,999円が16.1%(同15.0%)、

4,000~4,999円が13.0%(同12.9%)の順となっている。

税務ニュース一覧へ戻る

ご相談・お問い合わせ

ご相談・お問い合わせは、お電話、メールフォームからお気軽にどうぞ。

ご相談・お問い合わせ

ご相談・お問い合わせは、お電話、メールフォームからお気軽にどうぞ。